認知症のおばあちゃんのお世話は予想以上にハードです…

認知症の画像

認知症のおばあちゃんのお世話を引き受けて2ケ月ほどが経ちますが、毎日が戦場のようで心休まるときがありません。


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認知症の人のお世話って大変…

おばあちゃんは行動力があるタイプなので、毎日のように徘徊しちゃいます。

徘徊しそうなところに事前に連絡を入れておいて、おばあちゃんを見つけたらすぐに電話してくれるようにお願いしているので、毎日のようにあちこちから「おばあちゃんが来られてるのですぐに引き取りにきてください」という電話がかかってきます。

おばあちゃんは歩いて徘徊するのではなくタクシーで徘徊するため、行動範囲がかなり広くて迎えに行くのが大変です。

しかも、迎えに行ったら、「あんたはどうしていつも私の邪魔をしにくるの?」と言っておばあちゃんは怒りまくります。

一生懸命走って迎えに行ったのに、おばあちゃんにものすごく憎しみを込めた目で睨みつけられたりすると結構へこみます。

でもぐっと涙をこらえてニコニコ笑って、「もう、そんな怖い顔しないの。さあさあ、帰るよ」と言っておばあちゃんの手を引っ張っておうちに連れて帰ります。

おうちに着いた頃にはおばあちゃんは、「あれ、私、いまどこへ出かけての?」と聞きます。
「一緒にお散歩したんだよ」と私が言うと、「そうか」と言っておばあちゃんはにっこり笑います。
その笑顔を見ると、ちょっとだけ酬われます。

銀行の口座が使えなくなった…

一番大変なので、毎日のようにあっちやこっちやに行って、ややっこしい手続きを次から次へとしてくることです。

銀行に行って、なくしてもいない通帳やキャッシュカードや紛失届を何度も出しに行ったり、市役所に行ってなくしてもいない実印や健康保険証の紛失届を出したりするので、それまで使っていた通帳やキャッシュカードが次々に使えなくなったり、実印や健康保険書が使えなくなったりします。

でも本人はそんな手続きをした事を何も覚えていないので、どのキャッシュカードが使えて、どれがだめで、どの実印が最新のものなのかというようなことも全然わからなくなってしまいます。

私はそのつど銀行や市役所に行って、おばあちゃん何か手続きしにきたでしょうか? と聞いて回らなければいけません。

昨日はついに、とある銀行の支店長さんから呼び出しを食らい、「今朝おばあちゃんがまた来られて通帳とキャッシュカードの紛失届を出されたのですが、もうこれ以上は対応しきれないので、その貯金通帳に関する変更手続きや出金はすべてスットプさせていただきます」と言われちゃいました。
銀行にかなりご迷惑をかけちゃっているようです。
でもその貯金通帳はおばあちゃんの年金が振り込まれる通帳なので出金ができなくなったら一大事です。

銀行を出てすぐにおばあちゃんの家に行くと、おばあちゃんはベッドで寝ていて、「今日は朝から熱があったのでずっと一日中ここで寝ていたの」と言ってコホコホ咳をしていました。

「でも今朝おばあちゃんが来たっていう連絡が銀行からあったよ」と私が言うと、「あら、私、今日出かけたかな…」とおばあちゃんはしばらく考え込み、「ああ、そういえば、行った行った。郵便局やら、市役所やら、銀行やら。でも、何しに行ったのかな? んー、忘れた」と言いました。

郵便局や市役所にも行ったんだ…。

今回は何やらかしてきたんだ、おばあちゃん…。(T▽T;)

「もう一度市役所に行って、『私は何の手続きをしましたか?』って聞いてきたら?」
と私が言うと、
「あんたが聞いてきて」だって。
とほほほほほ。

病院は行っていないのかなと思って、おばあちゃんのお薬箱の中をチェックすると、私がマークしていなかった病院に行ったようで、病院から処方された風邪薬や睡眠薬が入っていました。

睡眠薬は間違えて飲み過ぎると危険なので、事前に用意してきていた胃薬にこっそりすりかえておきました。

朝からあっちやこっちやに行ったようなので、さすがに今日はもうこれでおとなしく家にいてくれるだろうと思っていたのですが、その日の夕方に、とある病院から電話がかかってきました。
私は丁度電車に乗っていたときだったのですぐに出られず、電車を降りてから電話をすると、
「おばあちゃんがお見えになっているんですが、どう対応していいかわからなくて困っているんです。どうしてすぐに電話に出ていただけなかったんですか? すぐに電話に出ていただかないと困ります!!」
と、ものすごくいらだった口調で怒られちゃいました。

およよよよ。(T_T)

そんなこと言われても、いつも電話に出られる状況とは限らないし、いつもおばあちゃんを見張ってるなんて無理だし…。



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グループホームに入所することに…

以前からケアマネージャーさんに、おばあちゃんが何か事故を起こしてしまう前に早く施設に入れたほうがいいと言われていました。
なので、先月はいろんな施設を見学しに行きました。
その中で、すごく綺麗で雰囲気がいいグループホームをあったので、入所の申し込みをしました。
グループホームは特別養護老人ホームなどに比べるとかなり費用は高めだけど、老人ホームや施設という雰囲気ではなくて、おうちで普通に暮らすような感じの生活が送れるというのが魅力です。

グループホームでも施設っぽいところや暗い感じのところもあったのですが、申し込みをしたところは綺麗なペンションみたいなお家で、スタッフの方もすごく優しそうで、入所している老人の方々も広々とした明るいリビングで楽しそうに過ごされていました。
おばあちゃんも見学に行って、すごく気に入って、すぐにでも入りたいと言っていました。
でも、グループホームに入所するには、病院の診断書をそろえる必要があったり、診断書をそろえても他の申込者の方が緊急性があった場合には他の申込者が優先されたりして、すぐに入所できない場合もあるとのことでした。

私は昨日の銀行の事や病院からの電話の事でかなり限界を感じちゃったので、グループホームの社長さんに電話して、おばあちゃんの状況を切々と伝えて、すぐに入所させてください、と頼み込んでみました。
そうしたら、明日契約をして月曜日から入所できるようにしましょう、と言っていただけました。

よかった〜。

すぐにおばあちゃんに電話して、
「グループホームに月曜から入れてもらえることになったよ」
と報告しました。
そうしたら、おばあちゃんは、
「そう。でも、グループホームってお金、高いんじゃないの? 私の年金で足りるの?」
と心配そうに聞きました。
「年金ではちょっと足らないけど、何とかなるよ」
「それならいいけど…。で、いつから入れるの?」
「月曜日から」
「月曜日って何日後?」
「3日後」
「じゃあ、急いで用意しないと。ところで、お金、いくらかかるの? 私の年金で足りるの?」
と、おばあちゃんはまた同じ事を聞きます。

「年金では足らないけどね、何とかなるよ」
「そう、それならいいけど…。で、いつから入れるの?」
「月曜日」
「月曜日って何日後?」
「3日後」
「じゃあ、急いで用意しないと」
「うんうん、がんばってね」
「ところで、お金、いくらかかるの? 私の年金で足りるの?」
またまた振り出しに戻る。

「大丈夫!!」
「そう。で、いつから入れるの?」
「月曜日」
「月曜日って何日後?」
「3日後」
「じゃあ、急いで用意しないと」
「うんうん」
「ところで、お金、いくらかかるの? 私の年金で足りるの?」

こんな会話が延々何時間も続きました。

この手のぐるぐるループする会話にはまり込むと、いつもおばあちゃんの体力が続く限りどこまでもどこまでも続きます。
途中で話題をそらしても、またいつのまにか元の話に戻っちゃいます。
いい加減な返答をしたり、もうさっきから何度も説明してるでしょ、とか言っちゃうと、おばあちゃんの機嫌がわるくなって怒り狂いながら同じ質問を更に執拗に繰り返すようになって、更に泥沼にハマります。

いつものことなのでもう慣れたけど、最初の頃はこの発展性のない会話にかなりエネルギーを奪われました。
今は時間は奪われるけど、エネルギーはあまり使わなくなりました。
心を無にして、ニコニコしながらひたすら同じ返答を繰り返すのみです。
余計な事は何も考えてはいけません。
相手だって、余計な事は何も考えていないのだから…。

今日は、グループホームの契約に行ってきました。
お金も払って、無事契約完了。

帰りにおばあちゃんの家に行って、無事に契約してきた事を伝えたら、おばあちゃんもすごく喜んでいました。
でもやっぱり、「ところで、お金、いくらかかるの?」の質問攻めは何時間も続きました。

明日は、おばあちゃんの荷物をホームに運びます。
月曜日は、朝からおばあちゃんを連れて病院で健康診断をして、そのあと、おばあちゃんを連れて銀行や郵便局や市役所に行って先日おばあちゃんがしてきたと思われる手続き(何の手続きかは不明だけど)の確認や必要であれば訂正などもして、それからホームに送り届けて、それで一件落着です。

ホームに入ったら、外出のときは必ず誰かが付き添ってくれるそうなので、銀行や市役所などに頻繁に行って変な手続きをしまくっちゃうようなことはなくなるはずですです。

もう少しだ。
がんばろう〜★



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