【読んだ本】ノマドライフ 好きな場所に住んで自由に働くためにやっておくべきこと

最近ノマドという言葉はよく耳にし、だいたいの意味は自分なりに把握しているつもりなのですが、この本のタイトル「ノマドライフ 好きな場所に住んで自由に働くためにやっておくべきことに」に、自由というイメージが強い【ノマドライフ】という言葉と、自由とは正反対な印象を受ける【やっておくべきこと】という言葉が混在していたのでちょっと違和感を覚えました。

もしかしたら私が把握しているノマドという言葉の意味と、一般的に使われているノマドという言葉の意味とはかなりニュアンスが違っているのかもしれないというような気がして、一度読んでみることにしました。


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ノマドライフ 好きな場所に住んで自由に働くためにやっておくべきこと(著者本田直之)★すごく真面目な本

この本によると【ノマドライフ】とは好きな場所に住んで自由に働くという事のようです。

著者は、ノマドライフを実現するために何年も前から準備をして努力を続けたそうです。
すごいなー、というか、真面目だなー、と思いました。

計画性ゼロで風の向くまま気の向くままのフーテンのみみみんには到底できないようなことばかりです。

ノマドライフを真剣にそして安全に目指したいというような人におすすめの本

この本では、ノマドライフというしばられない人生を送るためにはトレーニングが必要で、どういうことをしておくべきだ、ああいうことをしておくべきだというようなノマド実践マニュアルのような事が具体的に記されています。

「しばられない」人生を送るために「トレーニング」というような、ものすごくしばられているような感じのことをしなきゃいけないという矛盾を感じたのですが、その辺のところをよく考えてみると、どうやらノマドライフというのは「トレンディーかっこいいで生活スタイルである」というのが最も重要なところであって、「しばられない」という面はそこまで重用視されていないのかもしれません。

ノマドライフを目指す、という時点でもうすでに「ノマドライフ」というものに縛られているわけなので、ノマドライフを目指すというのは、何かに縛られたうえでの自由を求めているという事なんですよね。

学校、習い事、塾、進学、就活、会社勤めなどなど、子供の頃から「しばられること」に慣れ親しんできた「しばられ依存症」の日本人がある日突然まったく何にも縛られない生活を送れるようになったとしたら却って不安になっちゃうかもしれないので、「しばられない生活を送れるようになるためのトレーニング」にしばられ、「しばられない生活を送る」という事にしばられる、というぐらいがちょうどいい自由だったりするのかもしれません。

好きな場所に住んで自由に働くというだけならフーテンの寅さんだってノマドなわけですが、ノマドライフを目指している人はフーテンの寅さんのような生活を目指している訳ではなさそうです。

子供の頃からある程度自由を犠牲にして真面目に勉強し、会社に就職して自由を犠牲にして真面目に仕事をし、何年もかけてノマドライフを実現するための準備をし、トレーニングをし、ようやく手に入れられる特別なライフスタイル、つまり、勝ち組のみが手にできるかっこいい一流のライフスタイル、それが今もてはやされている「ノマドライフ」というものなのではないでしょうか。

少なくとも、この本を読む限りでは「ノマドライフ」という言葉に対してそのようなイメージを抱きました。

というわけで、この「ノマドライフ 好きな場所に住んで自由に働くためにやっておくべきこと」は、ノマドという言葉のニュアンスをいまひとつ把握できないのでノマドという言葉のイメージをつかみたいというような人や、ノマドに興味がある人や、会社勤めなどをしている人でノマドライフを真剣にそして安全に目指したいというような人におすすめの本です。



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ノマドライフ 好きな場所に住んで自由に働くために、やっておくべきこと

本田直之 朝日新聞出版 2012-03-16
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